健診結果の見方|まず確認したい3つのポイント
健診結果が届いたとき、
「数字がたくさん並んでいて、どこを見ればいいのかわからない」
と感じたことはありませんか?
健診結果は、病気を診断するためだけのものではありません。
今のからだの状態を知り、
これからの生活を少し整えるための「予防の地図」として使うことができます。
今回は、健診結果を見たときにまず確認したい3つのポイントを、管理栄養士の視点からやさしく整理します。
・健診結果を見るときに最初に確認したいポイント
・基準値だけでなく「去年との変化」を見る理由
・血糖管理を軸に、腹囲・脂質・血圧・肝機能をつなげて見る考え方
・黄色信号の段階で始めたい6割主義の健康管理
1. まずは「去年との変化」を見る
健診結果を見るとき、多くの方はまず基準値内かどうかを確認します。
もちろん、基準値は大切です。
ただ、それと同じくらい大切なのが、
去年、一昨年と比べてどう変化しているか
です。
たとえば、まだ基準値内であっても、
・体重が少しずつ増えている
・腹囲が毎年大きくなっている
・血糖値やHbA1cがじわじわ上がっている
・血圧が少しずつ高くなっている
・中性脂肪や肝機能の数値が上がっている
という場合は、からだからの小さなサインかもしれません。
健診結果は、1回分だけで判断するよりも、
「流れ」で見ることが大切です。
健診結果は「今回だけ」ではなく、「去年からどう変わったか」で見ることが大切です。
まだ基準値内でも、体重・腹囲・血糖値・血圧・中性脂肪・肝機能が少しずつ上がっている場合は、早めに生活を整えるサインになります。
2. 血糖管理を軸に考える
健診結果には、血糖値、血圧、脂質、肝機能、腹囲、BMIなど、いろいろな項目があります。
一見すると、それぞれ別々の数字に見えるかもしれません。
しかし、実際にはこれらの項目は、からだの中でつながっています。
その中でも、特に意識したいのが、
血糖管理を軸にして健診結果を見ること
です。
ここで大切なのは、血糖値やHbA1cがすでに黄色信号になっている人だけが、血糖管理を意識すればよいわけではない、ということです。
たとえ血糖値がまだ基準値内であっても、血糖管理を意識することで、腹囲、中性脂肪、血圧、肝機能など、ほかの検査項目を整えるきっかけになることがあります。
つまり、血糖管理は「血糖値が悪くなってから始めるもの」ではなく、
ほかの黄色信号を緑色に戻すための入口にもなります。
血糖値がまだ黄色信号でなくても、血糖管理を意識することで、腹囲・中性脂肪・血圧・肝機能など、ほかの検査項目を整えるきっかけになることがあります。
血糖管理は、血糖値だけを見るためではなく、からだ全体の代謝を整える入口として考えることができます。
血糖値が正常でも、血糖管理は意味がある
健診結果を見たとき、血糖値やHbA1cが基準値内だと、
「血糖は問題ないから関係ない」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、血糖値が正常範囲にあることは良いことです。
ただ、血糖値がまだ黄色信号になっていなくても、
・腹囲が増えてきた
・中性脂肪が高め
・血圧が少し高め
・肝機能の数値が上がってきた
・体重が少しずつ増えている
という場合は、血糖管理の考え方が役立つことがあります。
空腹時の血糖値が正常でも、腹囲・中性脂肪・血圧・肝機能に変化がある場合は、食後高血糖が起きている可能性があります。
食後高血糖が、内臓脂肪の蓄積や代謝の乱れに関係していることがあるためです。
そのため、血糖管理の考え方は「糖尿病予防」だけでなく、生活習慣病全体を整える入口として活用できます。
なぜなら、血糖管理で意識することは、単に「糖質を減らすこと」ではないからです。
血糖管理とは、
・食べる順番を整える
・甘い飲み物を減らす
・食事の時間を整える
・たんぱく質や食物繊維を足す
・食後に動く
・睡眠不足やストレスを減らす
といった、からだの代謝全体にかかわる生活習慣を整えることです。
これらは、血糖値だけでなく、内臓脂肪、脂質、血圧、肝機能にも関係します。
そのため、血糖値がまだ緑色の段階でも、血糖管理を早めに意識することには意味があります。
血糖管理は、ほかの黄色信号を緑色に戻す入口になる
健診結果で黄色信号が出やすい項目には、いくつかの共通点があります。
たとえば、
・腹囲が増えている
・中性脂肪が高い
・HDLコレステロールが低い
・血圧が高め
・ALTやγ-GTPなど肝機能の数値が高め
これらは、内臓脂肪の蓄積や代謝の乱れと関係していることがあります。
血糖管理を意識すると、食後の血糖の急上昇を抑えやすくなり、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されにくい生活に近づきます。
その結果として、
・内臓脂肪が減りやすくなる
・腹囲が整いやすくなる
・中性脂肪が下がりやすくなる
・HDLコレステロールが上がりやすくなる
・血圧が整いやすくなる
・肝臓への負担が減り、脂肪肝対策につながる
といった変化が期待できる場合があります。
もちろん、すべての数値が血糖管理だけで決まるわけではありません。
体質、年齢、遺伝、飲酒、薬、睡眠、ストレス、運動量など、さまざまな要因が関係します。
それでも、健診結果を生活習慣の改善につなげるときには、
血糖管理を入口にすると、複数の検査項目をまとめて整えやすい
というメリットがあります。
日本人は「血糖が悪くなる前」からの対策が大切
日本人は、欧米人に比べてインスリンを分泌する力が弱い傾向があるとされています。
インスリンとは、血糖値を下げるために働くホルモンです。
そのため、日本人はそれほど太っていなくても、内臓脂肪の増加や食生活の乱れで、血糖値に影響が出やすい場合があります。
つまり、血糖値が黄色信号になってから慌てて対策するよりも、
血糖値がまだ緑色のうちから、血糖が乱れにくい生活習慣を整えておくことが大切です。
これは、将来の糖尿病予防だけでなく、今出ているほかの黄色信号を改善するうえでも役立ちます。
たとえば、
・血糖値は正常だけれど腹囲が増えてきた
・HbA1cは問題ないけれど中性脂肪が高い
・血糖値は正常だけれど脂肪肝が気になる
・血糖値は正常だけれど血圧が上がってきた
という場合も、食事・運動・睡眠・ストレスを見直し、血糖管理を心がけることで改善されることがあります。
血糖管理は、内臓脂肪対策にもつながる
食事からとった糖質は、からだのエネルギーとして使われます。
しかし、食べすぎや運動不足が続くと、使いきれなかったエネルギーは脂肪として蓄えられやすくなります。
とくに注意したいのが、内臓脂肪です。
内臓脂肪が増えると、インスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなることがあります。
すると、さらに多くのインスリンが必要になり、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
このような悪循環が起こると、血糖値だけでなく、血圧、中性脂肪、肝機能にも影響が出やすくなります。
そのため、健診結果を見るときは、
・血糖値
・HbA1c
・腹囲
・BMI
・中性脂肪
・HDLコレステロール
・血圧
・肝機能
を別々に見るのではなく、つながりとして見ることが大切です。
中でも、最初に注目したいのは、
血糖値・HbA1c・腹囲
です。
血糖値がまだ緑色でも、腹囲や中性脂肪、肝機能に黄色信号が出ている場合は、血糖管理を始めるよいタイミングです。
「血糖管理=厳しい糖質制限」ではない
血糖管理というと、
「甘いものは全部やめなければいけない」
「ごはんを食べてはいけない」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、血糖管理とは厳しい糖質制限だけを意味するものではありません。
まずは、
・甘い飲み物を水やお茶に変える
・野菜やたんぱく質から食べる
・朝食にたんぱく質を足す
・主食を抜きすぎず、量と質を整える
・夜遅い食事を少し軽めにする
・食後に5分だけ歩く
・睡眠不足を減らす
・ストレスをため込みすぎない
といった小さな工夫から始められます。
大切なのは、血糖のゆらぎをできるだけ緩やかにして、からだ全体の代謝を整えることです。
血糖値がまだ黄色信号でなくても、血糖管理を始めることで、
腹囲、中性脂肪、血圧、肝機能などの黄色信号を緑色に戻すきっかけになるかもしれません。
だからこそ、健診結果を見たときは、
血糖値が悪いかどうかだけではなく、血糖管理でほかの項目も整えられないか
という視点を持ってみましょう。
3. 「黄色信号」の段階で整える
健診結果では、すぐに治療が必要な状態だけでなく、
その一歩手前の段階がとても大切です。
たとえば、
・血糖値が少し高め
・HbA1cが少し上がってきた
・血圧が基準値ぎりぎり
・中性脂肪が高め
・腹囲が増えてきた
・肝機能の数値が少し上がってきた
という状態は、生活習慣を見直すチャンスです。
この段階で、食事・運動・睡眠・ストレスを少し整えることで、
将来のリスクを下げることにつながります。
とくに、血糖値やHbA1c、腹囲が少しずつ上がってきている場合は、早めに生活を見直すサインです。
また、血糖値がまだ基準値内でも、腹囲、中性脂肪、血圧、肝機能などに黄色信号が出ている場合は、血糖管理を意識することで整えやすくなる可能性があります。
大切なのは、いきなり完璧な生活を目指さないことです。
今日からできる小さな一歩
・甘い飲み物を水やお茶に変える
・食後に5分だけ歩く
・夕食のごはんを一口分だけ減らす
・野菜やたんぱく質から食べる
・体重を週に数回だけ測る
まずは1つできれば十分です。
6割主義で始める健診後の一歩
健診結果が気になったとき、
「全部変えなきゃ」と思うと、かえって続きにくくなります。
まずは、できることを1つだけで大丈夫です。
たとえば、
・甘い飲み物を水やお茶に変える
・夕食のごはんを一口分だけ減らす
・野菜やたんぱく質から食べる
・食後に5分だけ歩く
・体重を週に数回だけ測る
・寝る時間を15分だけ早める
このくらいの小さな一歩でも、十分です。
健康管理は、100点を目指さなくても大丈夫。
「6割できたら合格」くらいの気持ちで、
今の生活に合う方法を探していきましょう。
まとめ
健診結果を見るときは、まず以下の3つを確認してみてください。
- 去年との変化を見る
- 血糖管理を軸に、腹囲・脂質・血圧・肝機能をつなげて見る
- 黄色信号の段階で生活を整える
血糖値がまだ黄色信号でなくても、血糖管理を意識することで、腹囲、中性脂肪、血圧、肝機能など、ほかの項目を整えるきっかけになることがあります。
健診結果は、未来からの手紙のようなものです。
「悪かったから終わり」ではなく、
「今から整えるチャンス」として活用していきましょう。
健診結果で「要受診」「要精密検査」「治療が必要」などと書かれている場合は、生活改善だけで様子を見るのではなく、医療機関で相談してください。
この記事は健康管理の考え方をお伝えするものであり、診断や治療に関するものではありません。
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