いろいろなものを食べることができて、寿命が延びている今、いつまでもおいしいものを食べて、健康でいたいと思いますよね?
しかし好きな物を好きなだけ食べて、運動もしないでいると、いつの間にか「お腹がポッコリ」、若い頃と比べると「〇kgも増えてしまった」なんてことに。
そこでこの記事では、3編に分けて
- 第1回:体重増加のメカニズム
- 第2回:加齢により太りやすくなる原因
- 第3回:太りにくいからだになる〇〇〇の活性化
まず第1回目は、
- 体重の増減はどのような場合に起きるのか?
- 肥満とはどのような状態か?
- 肥満の判定方法とは?
についてまとめてみました。
体重の増減とエネルギー量の収支
体重の増減は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量が以下のような関係の場合に起こります。
- 体重の増減がない:エネルギー摂取量=エネルギー消費量
- 体重増加:エネルギー摂取量>エネルギー消費量
- 体重減少:エネルギー摂取量<エネルギー消費量
エネルギー摂取量とは?
飲食物に含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物のエネルギー量の合計
エネルギー消費量とは?
私たちの1日のエネルギー消費量は以下の3つに大別されます。
①基礎代謝量:約60%
生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギー消費量
②骨格筋運動に伴う活動代謝量:約30%
自発的活動(姿勢の維持、筋緊張の維持など)、日常の生活活動、運動によるエネルギー消費量
③非震え熱産生:約10%
- 寒冷刺激に応じて亢進する熱産生(CIT)
- 食べ物を噛む、消化・吸収するなどの過程において必要なエネルギー消費・発生する熱(DIT)
- その他(感染・炎症時の発熱、ストレスによる高体温)
肥満とはどのような状態か?
体脂肪が過剰に蓄積した状態をいいます。
「体重が重い=肥満」と考えてしまいがちですが、身長190cm、体重100kgの「アスリートAさん」が肥満ではないことが想像できるように、そうではない場合もあります。
肥満はどのように判定するのか?
毎日の体重測定により、体重の変化を確認します。
身長の違いも考慮した体重管理を行うためには、BMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)²を算出します。
日本肥満学会によるBMI基準
生活習慣病・フレイル予防のために目標とするBMIの範囲
BMIは広く体重管理の指標として用いられており、生活習慣病やフレイル(老化に伴う種々の機能低下を基盤として、健康障害に陥りやすい状態)の予防を目的として、以下のように年齢ごとに目標とする範囲が設定されています。
年齢(歳) | 目標とするBMI(kg/m²) |
---|---|
18~49 | 18.5~24.9 |
50~64 | 20.0~24.9 |
65~74 | 21.5~24.9 |
75以上 | 21.5~24.9 |
しかし「肥満=体脂肪が過剰に蓄積した状態」だとするならば、体格指数以外に体内の脂肪量や脂肪以外の体組織(主に筋肉)量も知る必要があります。
「アスリートAさん」と「活動量の低い人Bさん」とでは、明らかに筋肉量や体脂肪量が異なるはずなのに、同じ身長、同じ体重であればBMIは同じ値となってしまうからです。
またBMIが「標準」であったとしても体脂肪が多い「隠れ肥満」の場合もあります。
ですからBMIに加え、最低でも「体脂肪率」が測定できる体重計を使用することをオススメします。
体組成計を使用して「筋肉量」「骨量」「体水分率」なども測定できれば、より正確な判断ができるようになります。
生活習慣病の予防も視野に入れ、「内臓脂肪レベル」も一緒にチェックしてみると良いと思います。
ただし、体組成計などの性能は年々向上していますが、あくまでも「目安」と考え、「心配な場合」は医師に相談するようにしてください。
体脂肪率判定表
内脂肪レベル判定基準表
まとめ
- 体重増加は:エネルギー摂取量>エネルギー消費量の状態が続いた場合に起こる
- 肥満:体脂肪が過剰に蓄積した状態のこと
- 肥満の判定:最低でも「BMI」と「体脂肪率」を合わせて判定する
第2回目は「体脂肪が増える原因について」お伝えします。